#127加藤 孔士朗

【 蛍火、あるいは灯台 】

近所の公園にはBB弾がよく落ちていた。
蓄光剤が含まれたそれは、夕方になると僅かに発光した。
小さい頃はそれを拾って集めることが好きだった。

陽の下では砂に紛れ、暗くなって初めてそこにあったのだと気づく。
それを一つ一つポケットに入れていく。

ずっと変わらないでいたい。
これらの写真にはネガの後ろに蓄光紙を挟んだ。

暗がりに浮かび上がる、見逃してしまいそうな、
光にも及ばない灯り。
あの頃の気持ちを忘れようとも、無くならないように。
PROFILE
加藤 孔士朗
履歴

1998年 福島県いわき市出身

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